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スペシャルインタビュー

インタビュー 第4回 佐藤弘道さん Vol.1

Date:2012.12.11

 第10代体操のお兄さんとして「おかあさんといっしょ」で活躍していた佐藤弘道さん。番組卒業後も、弘道お兄さんの愛称で、子どもをはじめ、親からも人気を集めています。仕事を通していろんな子どもたちとの出会いがある佐藤さんに、子どもたちとの向き合い方、子育てについてお話していただきました。



 「イベントを通して、いろんな場所でいろんな子どもたちと触れ合いますが、子どもたちに『楽しかった』と言ってもらえるようにすること。この気持ちは仕事をしていくうえで心がけていることのひとつです。なので『また一緒に遊ぼうね』とか、『また来てね』と言われるのはとても嬉しいです。

 体操のお兄さんをはじめたころは、まだ結婚もしていなかったし、子どもとの接し方はまったく分かりませんでした。ゼロからのスタートだったので、最初は戸惑いもありましたし、収録は毎回、四苦八苦状態でした(笑)。

 お兄さんである僕はかわらないのですが、収録に参加する45人の子どもたちは毎回毎回新しい子どもたちなんです。子どもたちは常に一発勝負。だからこそ、どこまでみんなとかかわれるのか、一瞬一瞬が勝負だと思いました。とはいえ、なんの情報もなかったので、自分自身の引き出しを増やす必要があると感じたんです。まずは、子どもが好きなものに触れることをはじめてみました。例えば......ヒーローもののテレビを見たり、女の子用の人形などのおもちゃで遊んでみたり。収録がない日は、地域のスポーツクラブで働いている先輩と会ってアドバイスをもらったり。また、『おかあさんといっしょ』は公開収録だったので、子どもたちの親との交流もあって、子どもだけではなく親の気持ちを理解することも大切だと思って、実際に幼稚園に行って、子どもと親に触れ合う機会を増やすようにしていました。今は、結婚をして子どももいるので、親の気持ちや子どもとの向き合い方も分かるのですが、独身だった当時はとても難しかったですね」

 積極的に親子に触れ合う機会を得て、経験や勉強を積んだからこそ、弘道お兄さんとして子どもたちに愛される。子どもの関心を一瞬にして惹きつけるコツはあるのでしょうか!?

 「イベントでは20人、50人、100人と一度に多くの子どもたちが相手になります。でもそれは、僕から見れば1対多数であって、子どもたちにとったら1対1なんです。なので、常に1対1で向き合う気持ちは持っています。

 私だけ話せなかった、僕だけ目が合わなかったというように子どもたちが思ってしまうことがないように、1分でも1秒でも早く、僕を迎え入れてくれるような姿勢でいることは大切だと思います。

 大人だと、名刺交換をして話をすれば伝わりますけど、子どもは話すだけでは分からないんですよ。『みんな、一緒に遊ぼうよ』と元気に明るく言ったからといって、遊んでくれるわけではない。だから、言葉だけではなくカラダを使って距離を縮めたりしています。なにも話さなくても、身振り手振りだけで笑ってくれることもあります。だけど、子どもたちは言葉もキャッチしているんです。ただ、大人よりも会話力がないだけで、よく話を聞いているし、きちんと理解しているんですよね。ただ、上手に伝えられないだけ。

 その気持ちを汲み取る力が、親や大人には必要だと思います。それってすごい大変って思うかもしれませんが、そこが子どもたちと触れ合う楽しさでもあるんです。『鳴いたカラスがもう笑った』ということわざがあるように、今日と明日の子どもは違うんです。一瞬のうちに感情は変わるんです。それを楽しさに変えていくのが大人の役割ですよね」

 プライベートではふたりの息子がいる佐藤さん。お兄さんと顔とお父さんの顔は違うのでしょうか!?


「ハッピーバースデー、ペネロペ!」の仕掛けに興味津々!「すごいな~」と、とても楽しそうに遊んでいました。

 「そこはまったく変わりません。本当になにも......(笑)。地方での仕事も多いので、家にいないこともあるし、息子たちが我慢していることもあると思います。限られた時間のなかで、コミュニケーションをとるようにはしています。

 できるかぎり夕食は一緒に食べることや交換日記もしています。長男は中学生になって部活が忙しくなったので今はやっていませんが、忙しくなる前まではやってくれていましたし、次男とはいまだに続いています。はじまったきっかけは、まだ長男が字もあまり書けない頃にノートにラクガキしているのを見て、僕が『上手だね~』とコメントしたことからなんです。そこから、字がだんだん書けるようになってきて、今日の出来事を書いていたり。はじめようと思ってはじまったわけではありませんが、生活していくなかで自然とはじまり、いまだに続いています。

 あまり口うるさく言うこともありません。僕の父親が比較的なにも言わないというか、これ以上なにかしたらお前分っているよなという感じの親だったので、僕自身もぎりぎりまでは許しています。この一線を越えたら分っているよなというオーラはしっかり出していますよ(笑)」

 笑顔が似合う優しいパパという印象を受けますが、実はとても厳しいパパだった頃があったのだそう。弘道お兄さんの意外(!?)な一面は次回のお楽しみ♪


Profile
1993年NHKおかあさんといっしょオーディションに合格。同年4月よりNHK「おかあさんといっしょ」第10代目体操のお兄さんとして、体操のコーナーだけでなく、イベント、歌のクリップなどで、12年間活躍した。子供たちと指導者のためのスポーツクラブ「エスアールシーカンパニー」を立ち上げ、全国で親子体操教室や幼児体操教室、保育士講習会などを行いながら、バラエティー番組や情報番組、CM、舞台、イベントなどに数多く出演。親子のための体操やCM用等のオリジナル体操を考案するなど多方面で活躍中。
オフィシャルブログ: http://ameblo.jp/sato-hiromichi/

撮影/田中秀典 ヘアメイク/小林成江(G・FORCE)





大きな箱にはどんなプレゼントが入っているの!?

人気の仕掛け絵本に待望の新作が登場! 今回はペネロペの誕生日会がテーマ。大好きなお友達を呼んでパーティがはじまったよ。ボール投げをしたり、かくれんぼをしたり......誕生日は楽しいね。みんなもペネロペをお祝いしてね。


「ハッピーバースデー、ペネロペ!」
アン・グットマン/文 ゲオルグ・ハレンスレーベン/絵 ひがしかずこ/訳
価格:1,995円(税込)
発行:岩崎書店